Official髭男dismの新曲『Anarchy』(2022年1月配信)は映画『コンフィデンスマンJP 英雄編』の予告映像で知っていたはずなのに…。今日FMラジオから流れてきた音楽を不意に耳にして「え!? めちゃかっこいいやん! 外国のミュージシャンかな…」と聞き入ってたらDJがヒゲダンだと紹介したのでポンと膝を打つ思いでした。
あれは3年以上前、2017年6月に『関ジャム完全燃SHOW』(テレビ朝日系)で蔦谷好位置が“売れっ子プロデューサーが選ぶ2017年上半期ベストソング”の3位にOfficial髭男dismの『始まりの朝』を挙げたことで「へぇ~なんかいい感じかも」と気になったのが始まりの夜。あっという間にヒットを連発してトップアーティストの仲間入りをするなんて当時はまだ思いも寄りませんでしたが…。
なかでも『Pretender』や『宿命』が好きですが『Cry Baby』(2021年5月)を聴いた時に「お?なんか雰囲気が違うんじゃね!」と感じていたところに『Anarchy』ですよ~!『Cry Baby』はまだヒゲダンらしいメロディーや藤原聡のピアノも響いているし歌の節回しにも“らしさ”があったのがすが、今作では新境地を思わせる変貌を見せて「とうとうやりやがったな!!」とほくそ笑みました。(感情表現あってる?)
ストラングラーズを彷彿とさせるベースが秀逸!願わくばルビコンのようなライブパフォーマンスに期待
懐かしのバンド名が出てくるのはご容赦を。なにしろ30年以上前の学生時代に遡るので。ストラングラーズ(The Stranglers)はイギリス発のパンクムーヴメントから誕生したバンドで、そのズンズン響くベースサウンドに衝撃を受けたものです。ベーシストはジャン=ジャック・バーネル。メンバーは変遷していますが今も活動しており昨年9月発売したアルバム『Dark Matters』から新曲『This Song』のミュージックビデオを公開しましたが、ベースの響きは健在です。
『Anarchy』で楢崎誠が弾くベースの雰囲気がストラングラーズを初めて聴いた時の気持ちを思い出させてくれたんですよね。それとルビコン(Rubicon)も。
ルビコンはアメリカ発のファンク・バンドで1978年3月に開催されたロックフェス『カリフォルニア・ジャム 2』に出演。テレビのロック番組でそのライブ映像を紹介していたのを見て「うわ!なんじゃこりゃー!!」ってなったというお話。チョッパーベースがゴリゴリ(ベンベンか?)に弾きまくっていたからです。
楢崎にチョッパーベースを弾いてほしいというわけではないですから勘違いしないでください。コロナ禍が落ち着いてからヒゲダンがライブ演奏をたくさんできるようになった暁には、ルビコンくらいの露出でベースを弾きまくっていただきたい!ということなのです。
最近は音楽番組でもライブ演奏のはずが楽器の音が聞こえず、弾いてるんだか分からないケースが多くて(弾いてるのでしょうけれども)モヤモヤすることが多いのです。その点、ヒゲダンは個々の演奏が際立つので『Anarchy』で一皮むけた感があるベースに大いに期待したい。
2020年9月『ミュージックステーション』でCreepy Nuts×菅田将暉がコラボ曲『サントラ』をライブパフォーマンスした時はアドリブバンバン入れて「これこれ!これぞライブ!」と私の溜飲を下げてくれたわけですが、ヒゲダンにもロックバンドここにありってくらいの調子でやっちゃって、熱い流れを取り戻してほしいな。
※トップ画像は『Official髭男dism 2022年1月23日付Instagram「【tour 2021-2022 – #Editorial -】」』のスクリーンショット