ロックギタリストのジェフ・ベックが1月10日、細菌性髄膜炎により78歳で亡くなりました。日本でクリエイションやCharが人気を博した1970年代にギターキッズだったわたしも、ジェフ・ベックが弾くギターフレーズを聴いて電流が走った一人です。
ジェフ・ベックとコージー・パウエル
ジェフ・ベックは1965年頃からヤードバーズに参加した後、1967年に第一期ジェフ・ベック・グループを結成します。後にフェイセズで活躍するロッド・スチュワートとロン・ウッド、ビートルズからも信頼されたニッキー・ホプキンスがキーボードという売り出し中のアーティストが顔を並べたのです。
ボーカルがロッド、ピアノはニッキーという存在感のある音に対してジェフらしい斬新なサウンドやフレーズを繰り出す主張がぶつかり合う感じのバンドでした。アルバム『トゥルース』 (1968年)と『ベック・オラ』(1969年)はブルースロック、ハードロック的な感じです。
第二期ジェフ・ベック・グループではメンバーを一新。黒人ボーカリストを迎え、キーボードにはその後も『ブロウ・バイ・ブロウ』に参加して「シーズ・ア・ウーマン」のカバーを提案したとされるマックス・ミドルトンを迎えています。そしてジェフが見出したと言われる年下のコージー・パウエルがドラムを叩きました。
第一期ジェフ・ベック・グループに比べると第二期は洗練されたソウルフルなサウンドになり、特にアルバム『ラフ・アンド・レディ』(1971年)の6曲目に収録された『ニュー・ウェイズ/トレイン・トレイン』(New Ways / Train Train)はジェフのギターとコージーのドラムが息の合った絡みを聴かせてくれます。
『ラフ・アンド・レディ』の収録曲はライブで披露することもありましたが、少なくともわたしは『ニュー・ウェイズ/トレイン・トレイン』のライブバージョンを聴いたことがありません。凝りに凝った音作りから出来上がったテイクだけにライブでは無理なのかも。ジェフ・ベックとコージー・パウエルをはじめ“達人たち”による奇跡のコラボから誕生した1曲なのです。
見た目もよく似ていたジェフとコージー
『ラフ・アンド・レディ』のジャケ写を見たらジェフ・ベックとコージー・パウエルが似ているのに驚きました。見慣れないうちはどっちがどっちか自信を持って判別できないほどでした。
コージー・パウエルはジェフ・ベック・グループをきっかけに注目され、腕利きドラマーとして人気を博します。1975年にはリッチー・ブラックモア率いるレインボーのオーディションに合格して第2期レインボーのドラマーとなり、数々のロックバンドから声がかかりレコーディングに参加するまでになるのです。
車の運転が好きでレーサーに転向しようと真剣に考えたこともあるコージー。1998年4月未明に高速道路で衝突事故を起こして帰らぬ人となりました。天国ではジェフ・ベックと再会して久々にセッションを楽しんでいるかも…。
第一期と第二期ジェフ・ベック・グループを聞き比べ。
YouTubeチャンネル「JeffBeck」に第一期ジェフ・ベック・グループの2枚目アルバム『Beck-Ola』の音源がありました。1曲目『オール・シュック・アップ(All Shook Up) 』はドライブ感があってロッド、ジェフ、ニッキー、ロンのセッションみたいで楽しめます。
第二期ジェフ・ベック・グループは『ラフ・アンド・レディ』の非公式な音源ですが、紹介しておきます。『ニュー・ウェイズ/トレイン・トレイン』(24:50より)だけでも聴いてみて下さい。
わたしとジェフ・ベックの出会い
蛇足ながらジェフ・ベックの思い出を書かせていただきます。エアロスミスの4thアルバム『ロックス』(1976年)を聴いてすっかりファンになったわたしは、ギターのジョー・ペリーがインタビューでリスペクトするギタリストは「ジェフベック」だと話していたので「ジョー・ペリーより巧いジェフベックって誰?」とその名を覚えたのでした。
初めて買ったのが『ライヴ・ワイアー』(1977年)でまず「マウスワウ(トーキング・モジュレータ)」すら知らなかったので、しゃべるようにギターを弾く男(ジェフ)のとりこになりました。さらにその頃読んだ『ヤングギター』でエドワード・ヴァン・ヘイレンが「ジェフベックの『フリーウェイ・ジャム 』とか弾いて練習しているよ」と話しており、「やっぱすげやジェフベック!」とますますファンになったというわけです。
そのエディ・ヴァン・ヘイレンも2020年10月、ガンとの闘病の末に65歳で亡くなり、さらにジェフ・ベックも…。天国はジャムセッションで盛り上がるかもしれないけど、こっちは寂しくなったよ~。
Do Jeff Beck and Cozy Powell look alike?
Rock guitarist Jeff Beck passed away on January 10 from bacterial meningitis at the age of 78.
As a guitar kid in the 1970s when Creation and Char became popular in Japan, I was one of those people who felt an electric current when I heard Jeff Beck play a guitar phrase.
Jeff Beck and Cozy Powell
Don’t the two men on the cover of “Rough and Ready” by the second Jeff Beck Group look so much alike that it’s hard to tell them apart?
When I was young, I was not used to seeing them, so it was sometimes difficult to tell which was which.
Jeff and Kozy play beautifully together on guitar and drums in “Rough and Ready”. It’s even funnier that they look so much alike.
Is this English correct? Thank you for reading.